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NZ MoyaSystem

ニュージーランド在住のプログラマがあれこれ書くブログ

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丁寧な接客がまちなかから消えていく日本

2週間の休みをもらって、1年半ぶりにニュージーランド(以下、NZ)から日本に帰ってきた。

日本のいいところは、なんといっても食べものの種類が豊富で、しかも安いこと。コンビニはもはや社会インフラレベルで存在し、おにぎり、サンドイッチ、スイーツなどなどが100円ちょっとの値段で手に入る。ファストフードも同様だ。街を歩けば500円そこそこでお腹いっぱいになれる店がそこかしこにある。牛丼、うどん、たこ焼き、NZでは食べられない日本の味を目一杯堪能してきた。

そのなかでひとつ感じたことがある。どうも、コンビニやファストフードでの接客がぞんざいになった気がするのだ。

特にコンビニなど、かつては「元気な挨拶」「店員さんの笑顔」「丁寧な袋詰」がセットになっていた記憶があるが、今回の一時帰国ではまったくそれらを感じられなかった。こちらを見てニコリともせず、事務的に商品のバーコードを読み取って、会計を処理するだけ。最近増えている外国人の店員だけでなく、日本人ですらもそうだった。

しかし、僕はこれをまったく悪いことだとは思わない。むしろ日本では「おもてなし」が安売りされすぎていた。海外では気持ちいい接客を受けようと思ったらそれなりのサービス料を払うのが当然である。

たとえばNZで宿に泊まる場合、バックパッカーズと呼ばれる一泊3000円くらいの安宿では、フロント係は無愛想で、チェックイン時も早口で必要事項をまくしたてておしまい、なんてのはザラだ。一方、一泊10000円以上のホテルに泊まれば、親切丁寧なホテルマンのお世話になることができ、彼らに「サー」と呼んでもらえる。本来、それくらいの違いがあって当たり前なのだ。

東京オリンピック開催が決まった2013年、「おもてなし」は流行語となった。だが2020年、海外の観光客が東京にやってきても、大した「おもてなし」は存在しないだろう。スーパーマーケットやファミレスなど、今はまだ丁寧な接客が安く受けられる場所が多くあるが、こうしたところの接客もだんだんコンビニ並みになっていくのではないかと感じる。

いまの日本を蝕んでいるブラックな労働環境の原因に、仕事に対する正当な報酬が支払われていないことがあるならば、まちなかから丁寧な接客は次々と消え、ゆくゆくは百貨店、ホテル、高級レストラン、そういった場所にしか存在しなくなる。だがそれでいい。みんなこれまで必要以上にがんばりすぎていたのだから。

次に帰ってきたとき日本の接客がどう変化しているのか、いまから興味深く思っている。